内藤陽介 Yosuke NAITO
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 九龍の海
2007-07-16 Mon 01:48
 今日(7月16日)は海の日です。海がらみの切手は沢山ありますが、せっかくなので、今日は新刊の拙著『香港歴史漫郵記』の中から、この1枚を持ってきてみました。(画像はクリックで拡大されます)

九龍湾

 これは、1987年に発行された“香港舊日風貌”の1枚で、アヘン戦争以前の1838年の九龍湾の風景を描くオーギュスト・ボルジェの絵画が取り上げられています。

 ボルジェは、1808年に中部フランスの地方都市、イスーダンの出身。21歳のときにパリに出て、作家のバルザックと親交を結び、1833年にスイス・イタリア旅行を題材とした作品で評価を得ました。その後、4年間に渡る世界周遊の旅に出て、各地の風景を題材とした作品を数多く残しています。

 このときの旅行では、ボルジェは、南北アメリカの各地を廻った後、当時はサンドイッチ諸島と呼ばれていたハワイを経て、1838年7月3日までにマカオに到着。以後、少なくとも1839年6月20日までは、広州、香港、マカオなどに滞在していたことがわかっています。

 その後、ボルジェはマニラ、シンガポール、インドを経て1840年夏にパリに戻り、華南旅行を題材とした作品集を出版。大いに評判を得たのですが、残念ながら、1843年の火災で、その原画は大半が焼失してしまいました。

 今回の切手に取り上げられているのは、そうしたボルジェの作品のうち、1838年8月に制作されたもので、九龍の海岸風景が描かれています。船の上で暮らす水上生活者たちとその船が画面の中心を占めており、船のマストに翻る洗濯物など、彼らの生活の様子がしのばれるほか、背景には対岸の香港島も見えていますが、高層ビルが林立する現在の香港からは想像もつかないほどのどかな風景です。

 さて、先ごろ刊行の拙著『香港歴史漫郵記』では、今回ご紹介の切手の他にもいろいろなマテリアルをご紹介しながら、アヘン戦争以前の香港についてもいろいろと書いてみました。機会がありましたら、是非、ご一読いただけると幸いです。
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この記事のコメント
#823 外国人から見た
アジア地域の絵画作品は、あまり切手になってないのではないでしょうか。(日本切手の場合、ビゴーなどが切手になってもよいような気もしますが。)
2007-07-16 Mon 18:50 | URL | muraki #-[ 内容変更] | ∧top | under∨
 muraki様
 たしかに、ビゴーの切手というのは出してほしいですね。
2007-07-20 Fri 23:51 | URL | 内藤陽介 #-[ 内容変更] | ∧top | under∨
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