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内藤陽介 Yosuke NAITO
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 Y1カバー
2007-09-22 Sat 09:12
 今日は(財)日本郵趣協会の会員大会ということで、横浜に出かけてきます。そこで、横浜がらみのマテリアルということで、こんなモノを持ってきてみました。(画像はクリックで拡大されます)

Y1カバー

 これは、1876年、横浜に置かれていたイギリスの郵便局から差し出された郵便物で、香港切手が貼られ、Y1の文字の入った消印が押されています。

 1842年の南京条約の結果、中国大陸では広州・厦門・福州・寧波・上海の5ヵ所が開港地となり、各地に設けられた領事館内には郵便取扱所が置かれて、極東とヨーロッパを結ぶ本格的な郵便業務が行われるようになりました。

 その後、この5ヵ所に加えて、1858年には日本の開港に伴い、箱館(函館)、兵庫(神戸)、長崎、新潟、横浜が、1860年にはアロー戦争の結果として、牛荘、芝罘、漢口、九江、鎮江、台湾府、淡水、汕頭、瓊州、南京、天津が開港され、これらの地域にもイギリスの郵便局が置かれ、各種条約に基づく開港地は21ヵ所にまで膨らみます。

 このうち、1862年に開局したとされる横浜局でも、1864年10月15日以降、香港切手が用いられるようになりました。その後、1866年2月17日には、厦門、広州、福州、寧波、上海、汕頭、横浜、長崎の各局に対しても、香港同様の抹消印が支給されることとなり、横浜にはY1というコード番号の入った印が支給されました。その後、1871年には日本政府による郵便が創業されますが、横浜のイギリス局は1879年末まで活動を続けています。今回のカバーの場合、裏面に押されている日付印からすると、横浜のイギリス局がこのカバーを受け付けたのは1876年7月25日で、8月3日に香港を経由し、さらに、マルセイユを経て9月14日にロンドンに到着しています。

 なお、東アジア各地で使われた初期の香港切手については、拙著『香港歴史漫郵記』でも説明していますので、よろしかったら、ぜひ、ご一読いただけると幸いです。
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この記事のコメント
#967 Y1カバーについて
Y1カバーについては平成19年6月の全日本郵趣に「1868年4月のY1印カバー」(澤 まもる)という記事が掲載されております。さらに次号11月号以降で、Y1印カバーに関する、村岡安廣氏の広範な記事を掲載予定です。ご興味のある方はそちらも参照なさってください。PRを失礼しました。
2007-09-24 Mon 00:22 | URL | c-breaker(「全日本郵趣」編集人) #E6psF8zg[ 内容変更] | ∧top | under∨
  c-breaker(「全日本郵趣」編集人)様

 書き込みありがとうございます。僕のブログは、基本的には僕自身の仕事の紹介を目的にしたもののため、本文ではなかなか他の人の著作などを紹介する機会もありませんので、こういうかたちで関連情報を書き込んでいただけるのは大歓迎です。

 今後ともよろしくお願いいたします。
2007-09-25 Tue 11:14 | URL | 内藤陽介 #-[ 内容変更] | ∧top | under∨
#997 「Y1」印カバーは
やはり横浜が多かったんでしょうか。箱館(函館)、兵庫(神戸)、長崎、新潟のイギリス局の実態はどうだったのか興味のあるところです。
2007-09-27 Thu 07:56 | URL | muraki #-[ 内容変更] | ∧top | under∨
 muraki様
 なんといっても横浜が圧倒的に多いです。(といっても、少ないですが)このあたりの話は、上の書き込みの「全日本郵趣」のほか、松本純一さんの本(ただし、フランス局がメインですが)に詳しいので、機会があったらお読みいただくのが良いかと思います。
2007-09-28 Fri 06:12 | URL | 内藤陽介 #-[ 内容変更] | ∧top | under∨
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