内藤陽介 Yosuke NAITO
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 タイ切手展
2007-11-03 Sat 00:25
 昨日に引き続き、現在、東京・池袋のサンシャイン文化会館で開催中の<JAPEX>にちなんで、今日はこんなモノをご紹介しましょう。ブルテン(出品目録)の表紙に掲載されているマテリアルです。(画像はクリックで拡大されます)

タイ試刷

 これは、1883年に発行されたタイ最初の切手の試作品で、今回の展示では“タイ切手展”のコーナーの和田俊夫さんのコレクションに展示されています。参考までに、実際に発行された切手の画像も下に貼っておきましょう。

タイ最初の切手

 タイと欧米諸国との本格的な外交関係は1855年にラーマ4世がイギリスとの間にボーリング条約(英泰友好通商条約)を結んだことに始まります。

 この条約によりイギリスは首都バンコクに領事館を開設しましたが、当時、タイには近代郵便制度はなく、タイ国内はともかく、バンコクから海外へ郵便を送ることにタイ側が責任を持つ体制にはなっていませんでした。このため、領事館は、タイ駐在の外国人商人や宣教師の要請に応えて“郵便局”を開設し、1858年からタイと英本国やインド、シンガポールなどとの通信を取り扱っています。これが、タイにおいて実施された近代郵便制度の最初で、当時の郵便物は蒸気船でシンガポールまで運ばれ、そこから宛先へ送られていました。

 イギリスがバンコクに開設した郵便局では、当初は英領インドの切手が、1867年からは主にイギリス海峡植民地(現・マレーシア、シンガポール)の切手が無加刷で使われていましたが、1882年になると、海峡植民地の切手にバンコクを意味するBの文字を加刷した切手が使用されています。

 これに対して、ラーマ5世による近代化政策の一環として、タイが自前の郵便制度導入を計画するようになったのは、1881年のことでした。ただし、当時のタイには切手を製造するための設備がなかったため、切手の製造はイギリスのウォータールー・アンド・サン社に委託されました。
 
 このとき準備された切手は、ラーマ5世の横顔を描く凹版印刷のもので、1ソロト、1アット(=2ソロト)、1シロ(=2アット)、1シク(=2シロ)、1サルン(=4シク)の5種類。国号の“シャム”の表示はなく、額面はタイ語のみの表示でアラビア数字も記されていません。これら切手は1883年に入ってからバンコクに到着し、同年8月4日の郵便創業から使用されています。

 今回のタイ切手展では、岩崎善太さんと和田俊夫さん、松沢孝一さんの3人の方が、今回ご紹介の切手を含む、ラーマ5世時代の切手のコレクションを出品しておられます。日本でタイのクラシックのコレクションがまとまって出品される機会はめったにないと思いますので、ぜひ、ご覧ください。

 なお、本日13:30より、会場内の特設コーナーにて、拙著『タイ三都周郵記』の刊行を記念してのトークを行います。こちらの方にも、ぜひ、お運びいただけると幸いです。

 昨日の<JAPEX>会場での『香港歴史漫郵記』のトークは、盛況のうちに無事終了いたしました。お越しいただいた皆様には、この場を借りて、あらためてお礼申し上げます。
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