内藤陽介 Yosuke NAITO
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 ロイ・クラトーン
2007-11-24 Sat 12:12
 今日は陰暦12月の満月の日。タイではロイ・クラトーンのお祭りが行われる日です。というわけで、この1枚を持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)

ロイ・クラトーン

 これは、1969年に発行されたタイの「風俗習慣シリーズ」の1枚で、ロイ・クラトーンが描かれています。

 ローイクラトーンとは、陰暦12月の満月の夜、バナナの葉で蓮の花や船の形をした灯篭(クラトーン)を作り、雨期明けで満々と水を湛えた川に流す行事です。日本の灯篭流しと雰囲気は似ていますが、水の精霊(ピー)に感謝の意を表わすとともに、自らの罪や災いを流し、魂を清めるために行われるもので、その意味合いは大きく違います。

 もともと、この祭りは、ヒンドゥー教の3神、イスワン(イーシュヴァラ)神、ブラフマ神、ナライ(ナラヤン)神を迎えるための儀式で、3本の高い竿の先に3日間灯篭を吊るし、祭りが終わった後、灯篭だけを沈まないように竹で編んだ小さな筏様のものに載せて川に流すものでした。そこに、自らの罪や不幸を川に流すという仏教の要素が加味され、13世紀のスコータイ王朝時代、ノッパマート王妃によって現在の儀式の原型が作られたといわれています。

 現在でも、発祥の地であるスコータイで開催されるローイクラトーン祭りは、遺跡がライトアップされ、幻想的な雰囲気の中で30万人を超える人々がタイ全土から集まるのだとか。タイでは、この日は一番大切な恋人と過ごすことになっており、意中の相手と一緒にいられるかどうか、気が気でない若者も少なくないそうです。

 ちなみに、今夜の僕の予定は家で原稿を書いているだけですが、我が家の近くには小さな川が流れているので、気が向いたら、ロイ・クラトーンもどきの灯篭を流してみるかもしれません。もっとも、事情を知らないご近所さんが見たら、火のついた小船を川に不法投棄している挙動不審の人物ということで、警察に通報されてしまいそうです。

 先ごろ刊行の拙著『タイ三都周郵記』は、バンコク、アユタヤ、チェンマイと旧泰緬鉄道の旅に内容を絞ったため、スコータイでのロイ・クラトーンについては触れられませんでしたが、ロイ・クラトーンはタイの旧正月(ソンクラーン)と並ぶ重要な行事な行事なので、拙著の補足として、今回ご紹介してみました。

 【イベントのご案内】  
 12月1日(土)、東京大学駒場キャンパス・16号館119教室で開催のシンポジウム「戦争とメディア、そして生活」にて、日本占領時代の香港のことを中心に「切手というメディアが含蓄するもの」と題してお話しします。

 僕の出番は、13:20スタートの「収集されるメディア―絵はがき、切手、ポスター」と題するセッションの2番目。入場は無料でどなたでもご参加いただけますので、ぜひ、遊びに来てください。
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